住宅ローン特約とは?手付金は返ってくる?期限・注意点を元司法書士が解説

住宅ローン特約
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住宅ローンの審査に通らなかったら契約はどうなるんだろう?

売買契約を控えていると、そう感じる方も多いのではないでしょうか。

事前審査に通っていても、本審査で結果が変わることもあります。本審査の結果が出るまで、安心できないという方もいるでしょう。

元司法書士   ぬりぼう

結論から言うと、こうした事態に備えて多くの売買契約には「住宅ローン特約」が付いています。

この特約の内容や期限、確認すべきポイントを理解しておけば万が一のときも落ち着いて対応できます。

この記事を読むとわかること

✅住宅ローン特約とは何か、なぜ必要なのか

✅契約解除できる場合に、手付金が返ってくるかどうか

✅契約書で確認しておきたいポイント

✅期限に間に合わない場合の対応

✅わざと審査に落ちることはできるのか

目次

住宅ローン特約とは?

住宅ローン特約とは、住宅ローンの審査に通らなかった場合に備えて設けられる契約上の特約です。

住宅ローン特約とは

住宅ローン特約は、「融資特約」「融資条項」と呼ばれることもあります。

多くの人は、住宅を購入する際に住宅ローンを利用します。

しかし、売買契約を結んだあとに、住宅ローンの本審査に通らないケースもゼロではありません。

そうなった場合、買主は住宅を購入する資金を用意できなくなってしまいます。

住宅ローン特約は、こうした事態が起きたときに、買主が不利な立場に置かれないようにするための、いわば保険のような役割を果たす特約です。

解除条件型・解除権留保型の違い

住宅ローン特約には、大きく分けて「解除条件型」と「解除権留保型」の2種類があります。

種類特徴
解除条件型期限までにローン審査が通らなければ、自動的に契約が解除される
解除権留保型期限までに買主が解除の意思表示をすることで、契約が解除される

どちらの型が採用されているかによって、契約解除の手続きが異なります。

自分の契約書がどちらの型なのか、事前に確認しておきましょう。

住宅ローン特約が必要な理由

住宅ローン特約がないまま契約すると、買主が大きなリスクを抱えることになります。

住宅ローン特約がない場合のリスク

住宅ローン特約が付いていない契約では、住宅ローンが借りられなくても、契約自体はそのまま残ってしまいます。

その結果、買主の都合による契約解除として扱われ、手付金を放棄することになったり、違約金を請求されたりする可能性があります。

大きな金額が関わるからこそ、住宅ローン特約の有無は、契約前に必ず確認しておきたいポイントです。

住宅ローン特約が使えないケース

住宅ローン特約は、どんな状況でも使えるわけではありません。

次のような場合は、特約の対象外となることがあります。

  • 住宅ローンの申込み自体をしていない
  • 必要書類を提出していない
  • 虚偽の申告など、そのほか買主側に原因がある場合

住宅ローン特約は、あくまで「誠実に審査を受けたにもかかわらず通らなかった」買主を守るための特約である点を理解しておきましょう。

住宅ローン特約で手付金は返ってくる?

住宅ローン特約にもとづいて契約を解除した場合、原則として手付金は買主へ返還されます。

住宅ローン特約で契約解除できる場合

住宅ローン特約にもとづいて契約が解除されることを、「白紙解除」と呼びます。

白紙解除になった場合、支払った手付金は買主へ全額返還されるのが原則です。

また、この場合は違約金も発生しません。

住宅ローンが理由で契約を続けられなくなったことについて、買主に責任を問わない、という考え方にもとづいています。

仲介手数料はどうなる?

白紙解除になった場合、仲介手数料の扱いは契約内容によって異なります。事前に仲介会社へ確認しておきましょう。

契約書で確認したい住宅ローン特約のポイント

住宅ローン特約は、契約書に記載された内容によって、適用される条件が変わります。

契約書で確認する内容

契約書では、次のような項目を確認しておきましょう。

  • 融資を申し込む金融機関名
  • 借入予定額
  • ローン承認を得るべき期限
  • 契約を解除できる期限
  • 解除の方法(解除条件型か解除権留保型か)

特に、承認期限と解除期限は別々に設定されていることもあるため、混同しないよう注意してください。

期限に間に合わない場合はどうする?

住宅ローンの審査結果が、契約書に記載された期限までに出ないこともあります。

そのような場合は、まず仲介会社へ早めに相談してください。

売主との合意があれば、期限を延長してもらえるケースもあります。

ただし、必ず延長できるとは限らないため、期限が近づいてきた段階で、早めに動くことが大切です。

住宅ローン特約で知っておきたい注意点

特約の仕組みを理解したうえで、次のような点にも注意しておきましょう。

住宅ローン特約を利用するために、わざと審査に落ちることはできる?

「審査にわざと落ちて、住宅ローン特約を使えないか」と考える方もいるかもしれません。

しかし、こうした行為は、誠実に住宅ローン審査を受けたとは言えず、住宅ローン特約の対象として認められない可能性があります。

住宅ローン特約は、あくまで誠実に審査を受けたことを前提とした特約であることを理解しておいてください。

事前審査に通っていても住宅ローン特約は使える?

事前審査に通っていたとしても、本審査で結果が変わり、否決されることもあります。

事前審査と本審査では、確認される内容や審査の厳しさが異なるためです。

そのため、事前審査に通っていることは、本審査に必ず通ることを保証するものではありません。

住宅ローン特約は、こうした事前審査と本審査のズレが生じた場合にも役立つ仕組みです。

まとめ

住宅ローン特約は、住宅ローンの審査に通らなかった買主を守る、住宅購入において重要な特約です。

ただし、適用される条件や期限があるため、契約書の内容をよく確認し、期限内に必要な手続きを進めることが大切です。

不安な点がある場合は、一人で抱え込まず、早めに仲介会社へ相談しましょう。

不動産購入全体の流れをあらためて確認したい方は、購入の流れについての記事もあわせてご覧ください。

手付金の相場や返還されるケースについて詳しく知りたい方は、手付金についての記事も参考にしてください。

契約書のどこを確認すればよいか気になる方は、売買契約書の見方についての記事もご覧ください。

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