家を買うときって、何から始めればいいんだろう?
初めての不動産購入では、そう感じる方も多いのではないでしょうか。
物件探しや住宅ローン、契約、決済など、やることはたくさんあります。
全体の流れが分からないまま手続きを進めると、「次は何をすればいいの?」と迷ってしまうこともあります。
結論から言うと、不動産購入は、情報収集から引渡しまで、大きく9段階に分けて進みます。
それぞれの段階で「何をするのか」「何に注意すべきか」を先に押さえておけば、慌てずに手続きを進められます。
この記事では、不動産購入の全体像と各段階での注意点、契約から決済までの流れを分かりやすく解説します。



契約から決済までの間は、司法書士も裏側でさまざまな準備を進めています。実務の視点も交えながら解説します。
✅不動産購入の全体の流れ
(情報収集〜引渡しまで)
✅各段階で何をするのか、何に注意すべきか
✅契約から決済までの間に、裏側で進んでいること
不動産購入の流れ【全体像】
不動産購入は、情報収集から引渡しまで、大きく9段階に分けて進みます。
全体の流れは、下記のフローチャートをご覧ください。


全体の期間は、物件探しから引渡しまでで、3か月〜半年程度かかることが一般的です。
ただし、希望条件に合う物件がなかなか見つからない場合や、住宅ローンの審査に時間がかかる場合は、さらに長くなることもあります。
① 情報収集・希望条件を整理する
不動産購入の第一歩は、情報収集と希望条件の整理です。
情報収集
まずは、希望するエリアの相場や、どのような物件があるのかを、ざっくりと把握することから始めます。
不動産情報サイトで、エリアや価格帯、間取りなどの条件を入れて検索してみると、相場感がつかみやすくなります。
希望条件を整理する
情報収集を進めるうちに、「駅からの距離を優先したい」「日当たりを重視したい」など、自分なりの希望条件が見えてきます。
すべての条件を満たす物件は、実際にはなかなか見つかりません。
譲れない条件と、妥協できる条件を、あらかじめ整理しておくと、物件探しがスムーズに進みます。
② 資金計画を立てる
物件探しと並行して、資金計画を早めに立てておくことが大切です。
自己資金
まず、頭金や諸費用として、どの程度の自己資金を用意できるかを確認します。
自己資金がまったくなくても購入できるケースはありますが、諸費用分は現金で用意しておくと、資金計画に余裕が生まれます。
住宅ローン・諸費用
住宅ローンを利用する場合は、無理なく返済を続けられる借入額を考えることが重要です。
物件価格のほかに、仲介手数料や登記費用、火災保険料などの諸費用がかかる点も、忘れずに含めて計画を立ててください。
③ 物件を探して内見する
条件が整理できたら、実際に物件を探し、気になる物件を内見していきます。
物件探し
不動産情報サイトでの検索に加えて、不動産会社に希望条件を伝えておくと、条件に合う物件情報を紹介してもらえることもあります。
内見で確認するポイント
内見では、間取りや設備だけでなく、日当たりや周辺環境、騒音の有無なども確認しておきましょう。
中古物件の場合は、建物の劣化状況や、修繕の履歴についても確認しておくと安心です。
④ 購入申込書を提出する
購入したい物件が決まったら、購入申込書を提出します。
購入申込書とは
購入申込書とは、買主が売主に対して「この条件で購入したい」という意思を伝える書類です。
正式な契約ではなく、購入希望を伝える段階の書類という位置づけになります。
提出するときの注意点
購入申込書には、希望価格や引渡し時期などの条件を記載します。
提出後にキャンセルできるかどうかや、記載すべき項目については、別記事で詳しく解説しています。
詳しくは
⑤ 住宅ローンの事前審査を受ける
購入申込書の提出とあわせて、住宅ローンの事前審査を受けるのが一般的です。
事前審査とは
事前審査とは、実際に住宅ローンを組めるかどうかを、金融機関があらかじめ確認する審査です。
売買契約を結ぶ前に、この審査に通っておくことで、契約後の資金計画も立てやすくなります。
注意点
事前審査は、あくまで仮の審査です。
本審査で条件が変わったり、審査に通らなかったりする可能性もゼロではないため、無理のない借入希望額で申し込むことが大切です。
⑥ 重要事項説明を受ける
売買契約の前に、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。
重要事項説明とは
重要事項説明とは、物件や取引条件について、契約前に必ず説明を受ける制度です。
法律で義務付けられており、権利関係や法令上の制限など、重要な内容が説明されます。
確認するポイント
説明を受ける際は、その場で理解しようとせず、できれば事前に書類のコピーをもらい、目を通しておくことをおすすめします。
分からない点や気になる点は、遠慮せずその場で質問しておきましょう。
⑦ 売買契約を結ぶ
重要事項説明に納得できたら、いよいよ売買契約を結びます。
契約当日の流れ
契約当日は、重要事項説明の内容をあらためて確認したうえで、契約書に署名・押印し、手付金を支払います。
契約が成立すると、原則として一方的な都合による解約はできなくなります。
手付金・契約書
手付金の金額や、契約書に記載される内容について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
⑧ 住宅ローン本審査・金銭消費貸借契約を行う
売買契約が成立したら、住宅ローンの本審査に進みます。
本審査
本審査では、事前審査よりも詳しい書類の提出が求められ、より正式な審査が行われます。
審査結果が出るまで、1〜2週間程度かかることが一般的です。
金銭消費貸借契約
本審査に通ると、金融機関と正式な金銭消費貸借契約(ローン契約)を結びます。
この契約により、決済日に融資が実行される準備が整います。
⑨ 決済・引渡しを行う
いよいよ最終段階である、決済・引渡しです。
決済日の流れ
決済日には、住宅ローンの融資が実行され、購入代金の残金が売主へ支払われます。
同時に、鍵の引渡しや、必要書類の受け渡しも行われます。
所有権移転登記・引渡し
代金の支払いと同時に、所有権を買主へ移すための登記(所有権移転登記)の手続きが行われます。
この手続きは、司法書士が担当することが一般的です。
契約から決済までの間に裏で進んでいること
売買契約から決済まで、通常1〜2か月ほどの期間がありますが、この間は「特にすることがない期間」ではありません。
実は、銀行・司法書士・仲介会社それぞれが、決済当日に向けて並行して準備を進めています。
銀行で進んでいること
契約後、金融機関では、本審査から融資実行に向けた社内手続きが進められます。
融資額や返済条件を確定させ、決済日に必要な資金を準備する体制を整えていきます。
司法書士が準備していること
売買契約後、司法書士は決済日に向けて、登記に必要な準備を進めます。
例えば、次のような業務を行っています。
- 不動産会社から売買契約書や固定資産評価証明書(評価通知書)などの資料を受け取り、登記に必要な情報を確認する
- 契約内容や固定資産評価額、住宅ローンの融資金額をもとに、登録免許税や司法書士報酬を含めた登記費用の見積もりを作成する
- 売主が権利証(登記識別情報または登記済証)を持っているか、対象の不動産のものと間違いないかを確認する
- 登記簿上の住所や氏名と、現在の住所や氏名が一致しているかを確認する
- 必要に応じて、役所で固定資産評価証明書など、登記に必要な書類を取得する
- 買主が住宅ローンを利用する場合は、融資銀行から抵当権設定登記に必要な書類を事前に受け取り、内容を確認する
- 売主に抵当権が残っている場合は、抹消を担当する金融機関や関係者と事前に調整し、決済日当日に確実に抵当権抹消登記ができるよう、必要書類に不足や不備がないかを確認しておく
一見すると何も動いていないように見える期間ですが、決済日にスムーズに登記手続きを行うため、司法書士は事前に必要書類の確認や関係者との調整など、さまざまな準備を進めています。
仲介会社・売主が準備していること
仲介会社は、決済日の日程調整や、引渡しに向けた鍵・設備関係の確認を進めます。
売主側も、引越しのスケジュールや、引渡し状態(残置物の撤去など)の準備を、この期間に進めていきます。
不動産購入で失敗しないための注意点
不動産購入で失敗しないためには、次の点を意識しておくとよいでしょう。
- 契約したら終わりではなく、決済までにも重要な準備が続くことを理解しておく
- 住宅ローンを利用する場合は、必要書類の提出期限や金融機関からの連絡に早めに対応する
- 各段階を焦って進めず、疑問点はその都度確認しながら進める
全体の流れと、各段階の注意点をあらかじめ知っておくことで、契約から決済までの間も、慌てずに過ごせるようになります。
最後に、不動産購入の流れと各段階の期間の目安をもう一度確認しておきましょう。
| やること | 期間の目安 | |
|---|---|---|
| ① | 情報収集・希望条件を整理する | 1週間〜 数か月 |
| ② | 資金計画を立てる | 1日〜1週間 |
| ③ | 物件を探して内見する | 1週間〜 数か月 |
| ④ | 購入申込書を提出する | 1日 |
| ⑤ | 住宅ローンの事前審査を受ける | 数日〜 1週間 |
| ⑥ | 重要事項説明を受ける | 1日 |
| ⑦ | 売買契約を結ぶ | 1日 |
| ⑧ | 住宅ローン本審査と 金銭消費貸借契約を行う | 1〜3週間 |
| ⑨ | 決済・引渡しを行う | 1日 |
まとめ
不動産購入は、情報収集から引渡しまで、大きく9段階を経て進みます。
特に、契約から決済までの期間は、表からは見えにくいものの、銀行・司法書士・仲介会社がそれぞれ準備を進めている重要な期間です。
全体の流れを理解しておけば、それぞれの段階で「今、何をすべきか」が分かり、慌てずに手続きを進められます。
購入申込書の書き方やキャンセルについて詳しく知りたい方は、購入申込書についての記事もご覧ください。
契約時に必要な手付金の金額や役割について気になる方は、手付金についての記事も参考にしてください。
契約書のどこを確認すればよいか知りたい方は、売買契約書の見方についての記事もあわせてご覧ください。
重要事項説明書の確認ポイントについては、重要事項説明書についての記事で詳しく解説しています。






